大判例

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東京高等裁判所 昭和53年(行ケ)196号 判決

一 請求の原因一ないし三の事実は、当事者間に争いがなく、また同四の主張中引用例には、審決のいう湯砂の長さについての記載、油砂が鋳物に対する焼付を防止する作用効果があるとの記載並びに押湯スリーブが鋼鋳物用に用いられるという用途についての記載がいずれもないことについて当事者に争いがない。したがつて、引用例記載の技術内容についての審決の認定は誤りである。

そして、審決は、右誤認した引用例記載の技術内容と本件考案とを対比し、両者の相違点について判断した結果本件考案の進歩性を否定したのであるから、右誤認が審決の結論に影響を及ぼすことは明らかである。

そうすると、審決を違法として取消を求める原告の本訴請求は理由がある。

二 よつて原告の本訴請求を認容する。

〔編註その一〕 本件における請求原因は左のとおりである。

一 特許庁における手続の経緯

原告は、考案の名称を「鋼鋳物における押湯発熱性スリーブ」とする登録第一一六八五九三号実用新案権(昭和四三年四月一日登録出願、昭和四九年一一月一日出願公告、昭和五二年四月一三日設定登録、なお昭和五八年四月一日存続期間の満了により権利終了。以下この考案を「本件考案」と、この権利を「本件実用新案権」という。)の権利者であつたものである。被告は、原告を相手方として昭和五二年九月二七日本件実用新案権について実用新案登録の無効審判を請求し、特許庁同年審判第一二七七六号事件として審理されたが、昭和五三年九月二七日その実用新案登録を無効とする旨の審決があり、その謄本は、同年一〇月一八日に原告に送達された。

〔編註その二〕 本件における請求原因に対する被告の答弁は左のとおりである。

請求の原因一ないし三の事実は認める。

同四の主張中引用例には、審決のいう湯砂の長さ、油砂が鋳物に対する焼付を防止する作用効果があること及び押湯スリーブが鋼鋳物用に用いられるという用途についての各記載がないことは認める。

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